手紙に、白紙の便箋をもう一枚

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毎日なにげなく過ごしていても、ふとした会話や本の一節から「これは、ずっと昔から続いてきた日本人の生活の中に根付いた習慣なんだ」と、学ぶことがある。

 

『プロフェッショナル 仕事の流儀 きのうの自分をこえてゆけ』 (2008年  茂木健一郎&NHK「プロフェッショナル」制作班 編 )

文化修理技術者の鈴木裕さんの章の中に、こんな話があった。

 手紙を書いたあと封筒の裏に「〆」と書きますよね。あれは本当に古くからある習慣で、私が修理した中世の文書にも同じようにあるんです。それから、手紙が一枚で終わってしまったときに、もう一枚、白紙をつけますよね。(中略)あれは鎌倉時代よりも前から続いている日本人の習慣なんです。(中略)紙の文化の奥深さですよね。 

 

私が白紙の便箋をつける習慣を知ったのは小学生のとき。転校前の学校の、担任の先生との文通のなかでだった。

どうみても一枚で手紙は終わってるのに、なぜか白紙がもう一枚。見えないペンで書いてあるのかな?間違えて入れちゃったのかな?と不思議に思った。

母に聞いたら、一枚だけだと失礼だから、白紙の便箋を添えるんだよ、と教えてくれた。

礼儀正しく、大人と同じ扱いを受けたことに感動して、嬉しくなったのを覚えている。

知ったら自分もやりたくなって、自分も一枚で手紙が終わったらもう一枚添えてみたりもした。

 

今はメールばかりで手紙を書くことが少なくなってしまったから、この習慣を知らない人もいるのかもしれない。 

 

一枚で手紙が終わったら、もう一枚添える。一枚で済んでしまったけど、気持ちは沢山届けたい、という想いが伝わってくる気がしませんか。