暮らしの中の竹とわら

天気の良い土曜日の武蔵野美術大学。ブリコールの「ENZA 暮らしの中の竹とわら」というイベントへ行ってきました。

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 竹を使い、カゴやザルをつくること

最初に民映研の『竹と暮らす』という30分ほどの映像資料を見ました。

1950年代から1970年代くらいの竹かご、ザルづくりは、竹林に材料である竹を伐りにいくところから始まります。 

 木と同じように、水の吸い上げが止まる冬に伐るのがよいとされている竹。冬は農閑期でもあるので、農業ができない間に竹を使い生産物を増やすという、合理的なスケジュールでした。

 

電話帳を開けば、かならず10-15軒くらいは載っている 

 

映像を見たあとは、宮本常一が率いる「生活文化研究会」で、竹製品、竹の民具の収集を命じられた工藤さんのお話。

研究会メンバーが、木工や織物など、それぞれに個人の関心の分野を深めて行くなかで、工藤さんは何か一つの分野にしぼってはいなかったそうです。

 

そんな工藤さんに、宮本先生は「竹」というテーマを与えられたそうです。

交通費を支援されて、全国各地いろんな地域の竹のものづくりの現場を訪ねては、竹製品を収集していました。 

 

探し方はこう。 

まず、地方の駅に着いたら、駅前の喫茶店に入ります。 

喫茶店には電話帳が置かれていることがほとんどなので、職業別電話帳で「タ行」を調べます。

 そうして見つけた連絡先を、全て手書きメモ。

公衆電話で順番に電話していったそうです。 

 

「タケ〜…」や「チク〜…」で出てくる竹製品に関わるのは大体10-15軒くらい。 これは、どの地域に行っても同じくらいあったそう。

 

そのくらい、地域問わず身近な ものだったことがわかります。

 

材料はそこらじゅうに生えているし、道具も竹を切り出すときのカマとひごを作るときの包丁といわれる刃物があればよし。

誰でも 始めやすく、逆をいえば簡単にやめることもできました。

 

ステンレスやプラスチック製との違い

いま、日常的に使うザルやカゴは、ステンレス製やプラスチック製のものが多いと思います。 

安くて、丈夫で、扱いが簡単。 

だから、竹製のものが衰退するのは仕方のないこと。 

そんな風に、工藤さんは話します。

 

たしかに、水に濡れたままにしていたらカビるし、乱暴に使えば壊れる。しかも、価格はプラスチック製のものと桁ひとつ違う。 

 

でも、水切れは断然竹の方がいいのです。 

表面張力で水がくっついてしまうプラスチックやステンレス素材と違い、竹自体が水分を吸収するし、竹ひごの重なりから水が落ちていくから。 

 

わたしとしては、やっぱり土に還る自然素材で、置いてあっても「なんかほっとする」竹のざるに魅力を感じます。 

 

竹を伐って、竹を裂いたもので縛って、肩にかけて出してきて、 竹を割ってひごを作って、手足を使って編んでいく。

 

手間はかかるけれど、素材にも道具にも動きにも無駄がない。大事に使いたいし、残していきたいなぁと思うのです。